投稿日2015年2月1日 休耕田の水源涵養 冬季の水源涵養

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概要

目的

減反などにより地下水位が減っている現状を鑑み、水田が有する高い水源涵養力を活かし、休耕している冬場に水田に水を張り、地下水涵養を図る。

実施概要

ザル田と呼ばれる、減水深の高い(水が浸み込みやすい)水田が冬季湛水に適しているため、その地質がどのような状況にあるかをまず調査する。

あわせて、農業用水路から水をとることになる場合は、流域自治体との協議を行い、必要に応じて協定を締結する。

このうえで、農家の協力(指導も)を得て、冬の田んぼに水を張る。

期待効果

その他、特徴的な効果

  • 水田に水を張ると、雑草の抑制効果がある。また、線虫なども駆除できるため、無農薬で作ることが可能になる。
  • 多様な生物相の生育を可能とし、土壌づくりにもなるため、無施肥で作物が育つ。
  • 野鳥の飛来などを招き、地域おこしにもつながる。
  • 冬季湛水にはエコファーマーの資格が必要であるため、エコファーマーの育成につながる。

実施内容とポイント

全体を通じたポイント・考え方

本格的な活動に入る前の準備に、手間や経費がかかるため、実施主体がNPO・市民団体である場合は、行政や企業、研究機関との協働が必要。

ステップ1湛水の準備

ステップ1-1 冬季湛水の準備・冬季湛水の予定地の地質調査

実施内容 冬季湛水の準備として、予定地の地質調査を行う。
ポイント・考え方 ・減水深の高い(水が浸み込みやすい)水田であることを事前に調査をする。・実施による成果が確認できるように、田んぼの現状(実施前の状況)を記録しておく。

ステップ1-2 自治体と協議(協定の締結)

実施内容 実施について、関連自治体と協議を行う。必要に応じて、協定を締結する。
ポイント・考え方 ・休耕田の復活や、湛水の意義を伝える。・冬季湛水の必要性を理解している企業や研究機関などと同席する。

ステップ2湛水による変化の確認

ステップ2-1 減水深(どれだけ水が地中に潜ったか)の測定

実施内容 湛水開始後、どれだけ水が地中に潜ったか(減水深)を測る。
ポイント・考え方 ・湛水開始時にセレモニーにを行い、多くの市民に関心を持ってもらう。・定期的に観察をし、記録をとっておく。

ステップ2-2 生き物調査、植生調査

実施内容 定期的に生き物調査、植生調査を行い、変化を確認する。
ポイント・考え方 ・調査時に、周辺の子どもたちを招待し、変化を知らせる。・面積を広げる際の参考資料の収集を兼ねる。

ステップ3湛水の定着

ステップ3-1 冬水田んぼの定着・水の流れの把握

実施内容 水の流れを調査し、把握する。

ステップ3-2 生き物調査、植生調査、農家との交流

実施内容 生き物・植生調査とともに、農家との交流を行う。
ポイント・考え方 ・周辺の子どもたちを招待する。・援農などに発展する関係を築く。

ステップ3-3 無農薬無施肥米の販売

実施内容 水張り田んぼで出来た無農薬無施肥米を販売する。
ポイント・考え方 ・豊かな生態系が育む持続可能な農業をアピールし、売れるようにする。

実施主体・協働・推奨される自治体

実施主体

NPO、住民、事業者、外郭団体、行政

住民・行政参加度

総合
住民・事業者3:行政主体3
資金
行政主導4:住民・事業者2
マンパワー
住民・事業者4:行政主体2

協働によりどのような相乗効果を期待できるか

行政が参画することで、軌道に乗るまでに必要な支援を受けることができる。
住民や事業者が参画することで、無農薬無施肥の農業や飛来する野鳥などを話題とした地域起こしにつなげることができる。

推奨自治体の自然・社会的要件等

規模よりもどのような地質構造を持った地域かが問われる。

冬季に作物をつくらない地域であることは要件になる。